ken氏の見解。(PIZZA OF DEATH)>「iTunes での音源配信開始について」
>「iTunes での音源配信開始について」

 既に御存知の方もいらっしゃると思いますが、ピザオブデスは Apple 社が8月上旬に Web 上で開店した「iTunes Music Store」での音源配信に参加するコトにした。

 簡単に説明すると、パソコンで音源が買えるようになった(「iTunes Music Store」に限定)。今のところ、他のサイトでの音源配信は考えていない。

 オレはピザオブデスの社長として、常々パソコンでの音源配信には反対の姿勢をとってきた。「音源はジャケット、歌詞カード、曲間など、全て揃ってこそ『音源』なのだ。」という理由からだ。所謂「パッケージを重視したい」という気持ちだ。これは自分でミュージシャンとして音源を創って世の中に発表していく経験の中で得た、確固たる信念だ。これは今でも全く変わっていない。

 しかし時代は変わっていく。悲しいかな、創り手の気持ちとは違うところで、ユーザーの利便性が重視されていく。普通会社というモノは、ユーザーの利便性に沿って、販売形態や流通形態を変えていくモノだ。メーカーとしては当り前の姿勢だ。どこのメーカーの社長にも「結構売れるよ。ピザもやればイイのに。」何て言われ、その度に聞き流してきた。

 そんな折、日本で iTunes が開店するコトになり、そこの担当者から熱心な誘いを受けた。オレはメーカーの社長として、そしてミュージシャンとして、ちょっと冷静に考えてみた。

 「音質が真っ当な『音源配信』だったら、時代を考えるとそろそろやるべきなのかも知れないなぁ…」

 事実、ピザオブデスの CD がちゃんと日本中に行き渡っているかと考えると、イエスとは言い切れない。「買いに行ったら、置いてなかった」なんていうのはザラで、それ以前に「一番近い CD ショップに行くのに、車で一時間かかる」という人もいる。彼らの利便性を考えると…。

 それから現代の物の購入の仕方を考えた。モチロン、パソコンでの物の購入は一般的になってきている。昔よりも「消費者に購買方法の選択権が与えられた時代」になってきている。

 例えばある人がテレビで、或いはラジオで Hawaiian6 の音源を聴いて、気に入ったとしよう。昔はアルバムを買うしかなかったが、今は1曲だけ買える環境がある。もしそこで、ピザの音源がパソコンで購入出来なかったら、…その人の Hawaiian6 に対する興味は消え失せてしまうかも知れない。
 更にピザのミュージシャン達の気持ちも考える。「自分が頑固なばかりに、彼らのチャンスを奪ってしまう」、そんな責任にも似た感情を覚える。

 オレは「そんな時代なんだ」と観念せざるを得なくなった。

 「何故 iTunes だけなのか?」、このポイントを説明しよう。物事何でも、やるなら立ち上げの時から一緒にやりたいからだ。既存のシステムに乗っかるのは楽だ。オレ達も乗っかる時もある。しかし今回の音源配信に関しては、既存のモノに乗っかる必要性は全く感じない。見方を変えると、立ち上げの時期に熱心に誘ってくれたのは Apple 社だけだった、というコトだ。(「着うたサイト」からは立ち上げる際にかなり誘ってもらった事実を付け加えておく。しかし携帯電話用の「着うた」には依然として参加の意思はないコトも重ねて加えておこう。)

 ただ、新譜については、当面「全曲配信」はしない。先の例の様に、興味を持ったならその曲を簡単にパソコンで購入してもらって構わない。そこから先に踏み込みたいなら、やはり一時間かけてでも CD ショップまで行ってパッケージを購入して欲しい。どこかのサイトで注文してもらっても良い。
 とにかく、パッケージを手にして欲しい。

 なので考えように依っては、ピザオブデスにとって今回の iTunes での音源配信開始は、実験的であり、プロモーションの一環だ。ちょっと間口を広げただけだ。

 オレは諦めたワケじゃない。

>オレは最近、物創りについて考える。
 物を創るコトはクリエイティブな事柄である以上、一番に質が問われる。当たり前のコトだ。しかし、質を偏重するあまりにストレスの中に身を置くコトを美徳としてはいないか?もう少し、物創りをしている最中の高揚感や興奮を大切にすべきではないか?
 言葉は平たくなるが、これは即ち「その瞬間を楽しむ」コトに直結する。ストレスの多い現場から良い物が出てくるなど、ごく稀なコトだ。

 何でも暗雲に真剣にやれば良いというワケでは無い。余裕が必要だ。

 あと一点、バンドでの「自己主張」と「ただのわがまま」は紙一重だ。そこを良く理解し、線引きしないと折角の「バンド・マジック」も台無しになってしまう。
 この際ハッキリ言うが、メンバー全員が全楽曲の全アレンジに100%満足しているコトなど、奇跡に近い。と言うか、起こり得ない。誰かが折れているハズだ。主張を通したいなら、折れた人の気持ちも汲まないと、物創りも気持ち良く機能しない。なにしろ人間がやっているコトなのだから。

 物創りとは何とも複雑で、面倒なコトなのだ。
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by POP_ID | 2005-09-08 15:34 | MUSIC | Trackback(1) | Comments(0)
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