手に入れたらこんなに興醒めするものって他にない。
「不老不死」自分だけが手にして、仲間たちは死んでいくなら・・・。
永遠に減らないお金。打出の小槌は僕を幸せに導くのか?
堕落と破滅への片道切符となるのか?
思い出の古いレコード。
中学生の頃、今より大きく感じた。
「何か大切なもの」がそこに詰まっている気がした。
僕はそこから多くを学んだ。
今では聴かなくなったけど、一緒に歳を取ってきた。
同じ作品をCDで買ってても、なんでだろ?捨てられない・・・。
今では音溝が年輪や皺に思えてくる。
お互いに狂えるワールドを生き延びてきたいわば同志。
一緒に墓に埋まろうぞ。妻と共に。
思い出の古いCD、ピカピカの盤面はあの頃のままさ。
だけどケースの傷は増えてて、過ぎた年月を思い出すのさ。
何かが欠けているメディア。1とゼロの間は真空じゃないんだ。
あの時の会話の間。 間..........................間に息を殺す想い。
「うまく言えない本当のこと」が詰まってた。
ああ思い出はいつだってアナログがいい。
都合の悪いことはぼかしてしまおう。
ルノアールのように美しく。
でも永遠なんてないぜ。あの樹脂盤にも寿命はある。
思い出の古い「着うた」は、
買い換えても捨てられないケイタイの中で、
ひっそりと歳を取っていく。
そしてふと手に取った時に、キミを泣かせてしまうかもね。
「二人で歌ったあの歌」ならね。
ダウンロード、アイポッド、お手軽に手に入れた永遠は誰かを、
いつか泣かせる日が来るか?
「手に取れない永遠。」雑音の入る隙もなく、
いつまでも若々しくそのままであること。
悔しくてデリートする時に、明日への誓いとするのなら、
意味あるね。
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