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フリッパーズの狡猾さ。そして成長。
~だろう ~はずさ
は、あらゆる「突っ込みを回避する」マジックフレーズだった。
旧来の
~だぜ ~なのさ
はいくらでも突っ込みが可能なのだ。
♪ゴキゲンだぜ、一晩中ダンスしようぜ! と歌えば、
「しねぇよ、疲れるし。そもそもダンスパーティーとかダンスホールなんてないし。」
と突っ込まれてしまう。
♪俺たちよそ者、アウトローなのさ! と歌っても。
「いやいや君たち、ちゃんとメジャーレコード会社と契約してるじゃん。」
と切り返されるのだ。
しかし
♪そして全て終わるはずさ
♪猫が眠るだろう 
と歌うと、断定していないだけに突っ込めないのだ。
しかもフリッパーズは、これまでの日本の商業音楽の文脈とは異なるベースを持ち込み、周到な計算の元に「歌詞」と「曲&アレンジ」に埋め込む高度集積型楽曲を構築したため、保守的な評論家たちは、知識不足が露呈しないよう無視するか、訳もわからぬまま賞賛するか、
「あんなもん音楽じゃない。」とかつてビートルズを否定したオッサンのように、苛立ちながら、わめくしかなかった。(その反応すら彼らの想定内だったのだ。)
だからフリッパーズ革命は成功したのだ。
小沢&小山田はアンファンテリブル。
しかしその毒は結局、自分自身にも回ってしまい、崩壊することになる。
その後の活躍は知っての通りだ。
小沢健二は、オザケン王子となり、否定したはずのBABY!を恥ずることなく高らかに叫んだ。そしてそれすらあっさりと封印し、今に至る。
小山田圭吾は、今や「世界のサカモト」に選ばれるアーチストに成長した。海外の著名ミュージシャンとの交流はもはや日常茶飯事となっている。

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大きな川の流れの中で、フリッパーズギターが打った杭。
俺はまだ倒れずに立っていると思う。
by POP_ID | 2007-07-23 18:10 | '90sあたり
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