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直枝政広(カーネーション)/5月4日
>5月4日
 エンジニア原口宏くんから電話。「日比谷野音いきませんか?細野さんが出るイヴェント...というか、今日は飲まなきゃやってらんない気分なんで...」。寝起きにも昨日のニュースが脳裏をよぎった。原口くんは鈴木博文さんや細野晴臣さんの仕事には欠かせない人だが、忌野清志郎さんの10枚のアルバムの録音にも関わってきた。こっちは子供の頃に一年間近くもかけてモップス「月光仮面」とRC「ぼくの好きな先生」のどちらを買おうか迷って結局は五木ひろしを買ったような人間、とはいえその痛い心境は同じだ。友人たちは、格好が派手になって再登場したあのRCに夢中だったし、おれだって当時復刻された『シングルマン』を車で、それも甲州街道で何度も聴いたさ。「付き合うよ」と返事をした。北千住のファンダンゴにちょこっと寄って中古LPを買ってから千代田線で日比谷(どうやら野音は霞ヶ関駅の方が近いらしい...失敗したな)。席につく前に、入口で買ったたこ焼きとビールを一番後ろの壁際にふたりしてしゃがんで胃にかっこむ。会場は満員。細野さんは出て来てひとこと「心の中はお通夜です」と語った。曲はザ・バンド「オール・ラ・グローリー」「オールド・ディキシー・ダウン」。レオン・レッドボーン「レイジー・ボーンズ」など。ティン・パン・アレイの東北ツアーの列車の中ではデンスケでザ・バンド(その時はたしか『カフーツ』)を聴いていたという記事を読んだことを思い出した。そしてその頃のザ・バンドの前座はレオン・レッドボーンだった。ロックの夢は誰もが永遠に持ち続ける。とにかくすばらしいステージだった。アンコールはHISの「幸せハッピー」...。さて、有楽町のドイツ・ビール屋と居酒屋をはしごして飲む。「お別れにはいくんだろ?」と聞くと、原口くんは身体を捩って「会いたくないなぁ」と、くしゃくしゃな表情をしながら言った。やはり、話は尽きず気がつくと24時過ぎ。なんとか常磐線の最終ぎりぎりに間に合った。

http://www.carnation-web.com/naoex/2009/05/#000072
by POP_ID | 2009-06-09 02:02 | '00sあたり
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