11月18日(金)東京・晴れ、新潟・雨
久し振りの帰省。長旅の友に俺はこの本を選んだ。
そう、いつだってこの本は「本物」に触れさせてくれる。
上げ底の表現者達が、未成熟なリスナーに狂信的に迎えられるとき、
揉み手が得意な評論家達に持ち上げられているとき、
そのイーストフードで膨張した薄っぺらな作品に辟易したときに、
俺はこの本を聖書のように読む。
「彼」は神ではない。しかし「本物」なのは確かだ。
俺がまだ正気なら、たぶんそれは事実だ。
俺は実家の2階に上がり、昔の雑誌を手にする。
あの頃の輝きが今はなくても、
あの頃の輝きを忘れてはいない。
そんなことを考えながらページを閉じた。
11月21日(月)東京・晴れ
寒さが厳しくなってきた。帰省先ほどではないけれど。
夕方、妻と出かけた恵比寿の小さなライブハウス。
素敵な時間を過ごした後に俺は、
フロアの片隅で談笑している
「彼」をみつけた。
単行本から抜け出してきた彼は、
あのCMの中と同じ姿で、
俺はちょっと笑った。
そして単行本の中の彼が今
目の前にいるという現実に
10代の子供のように感動した
生きてるって素晴らしい
成長するって素晴らしい
年を取るって素晴らしい
また会おう
次はステージで
何年後かわからないけど
きっと行くから
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